医療関係者の方へ

 

手術概要

大動脈弁疾患

通常の弁膜症に対しては人工弁置換をおこないます。狭小弁輪に対しては弁輪拡大をおこなう他、上行大動脈拡大を伴うものに関してはcomposite graftによる置換をおこなっています。

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大動脈弁輪拡張症

スタンダードなcomposite graftによる基部再建術のほか、症例によりYacob手術などの弁温存術式/remodelingをおこないます。65歳以上の症例に対しては生体弁composite graftおよびfree style conduitによる置換をおこなうことがあります。手術時間はおよそ5-7時間で、入院期間は2~3週間程度です。

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上行・弓部大動脈瘤

上行大動脈瘤に対しては上行置換術、弓部大動脈瘤に対しては弓部全置換術をおこないます。脳保護法は超低体温循環停止+逆行性脳潅流法でおこないますが、症例により選択的脳潅流法を用いる場合があります。弁膜症や冠動脈狭窄症を合併するものは、弁置換および冠動脈バイパスを追加します。手術時間はおよそ5~7時間で、入院期間は2~3週間程度です。

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遠位弓部・下行大動脈瘤

基本的に左開胸(第5肋間)でおこない、補助循環は左心バイパスを使用します。置換範囲は左鎖骨下動脈起始部から動脈瘤の遠位側までです。遠位側吻合がT8レベルを超えるものは肋間動脈を再建します。手術時間は3~5時間で、入院期間は2~3週程度です。

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胸腹部大動脈瘤

第5肋間開胸・胸腹部切開でおこないます。Crawford Ⅰ~Ⅲ型は補助循環に左心バイパスを使用しますが、Crawford Ⅳ型は、腎保護のみおこない補助循環は使用しません。肋間動脈の再建はT8~T11をおこない、腹部4分枝を再建します。左腎動脈には屈曲予防のためステントを留置します。脊髄保護としてはCSF drainage、左心バイパス、軽度低体温、ナロキソン投与などをおこなっています。手術時間は6~8時間程度で、入院期間は2~4週間程度です。

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腹部大動脈瘤

MIVS(minimal invasive vascular surgery)による小切開手術(皮切10cm)をおこなっています。これにより、手術時間の短縮(およそ2~3時間)、入院期間の短縮(1~2週間)が可能になりました。術後のイレウスは皆無となっています。

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急性大動脈解離(Stanford type A)

血栓閉塞の有無にかかわらず、全て緊急手術としています。急性解離には安定している状態はなく、一見安定しているように見えてもentropyの非常に高いところでの安定であるため、ひとたび変化が起こればcatastropheにつながると考えるからです。手術手技は、真腔血流の確保、解離腔閉鎖、entry切除を手術目的とし、上行置換、Hemiarch repair、弓部置換を選択しています。手術時間は5~7時間です。術後は、急性解離術後リハビリテーションプログラムに従い、3~4週間の日程でリハビリをおこないます。

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急性大動脈解離(Stanford type B)

Stanford type Bの手術適応は、

  1. 持続する胸部痛
  2. 大動脈径の拡大
  3. 臓器虚血の存在
  4. 破裂例

です。
しかし、いつの時点で手術治療に転換するかの判断は非常に難しいため、当センターでは、手術適応の有無にかかわらず急性大動脈解離患者の受け入れをおこなっています。