大動脈解離(解離性大動脈瘤)って何??③

大動脈は心臓から始まり、全ての臓器に分枝血管を出して血液を供給しています

大動脈に解離がおこると、いずれ分枝血管に血液が流れなくなり、臓器の血流障害(虚血)がおこります。血流障害のおこる場所によって、例えば、心臓の虚血は心筋梗塞、脳の虚血は脳梗塞、腎臓の虚血は腎不全、腸管の虚血は腸管壊死、などなど、致死的な合併症を引きおこし、高い死亡率を呈します。このような動脈解離に対しては緊急手術で対応する以外ありません。

大動脈解離(解離性大動脈瘤)って何??①

大動脈解離も最近非常に増えている病気です

腹部にできる腹部大動脈瘤、胸部にできる胸部大動脈瘤、胸部から腹部にまたがってできる胸腹部大動脈瘤などがあります。動脈瘤は血管の老化現象である動脈硬化が原因となるばあいがおおいといわれています。つまり、歳をとるとだれでもこの病気になる可能をもっているのです。とくに、動脈硬化を促進する原因:喫煙、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などをもっている方は可能性が高くなります。

良くある質問(手術編)⑤

Q.人工血管を入れると拒絶反応は起こるのですか?

A.現在の人工血管は化学繊維でできており拒絶反応は起こりません。しかし、少量のタンパク質を使用している人工血管もあり、このようなタンパク質に反応して手術後早期に発熱などの軽い症状が出る場合があります。当センターでは2008年より、タンパク質等の有機物質を一切使用していない人工血管を使用しています。

 

良くある質問(手術編)④

Q.手術をしたらいろいろな合併症が起こると聞きましたが…。

A.手術合併症に関しては手術の前にご本人ご家族に対して可能性のある合併症のほとんどについて説明します。いろいろな合併症の話を聞くことになりますが、現在は合併症の発生頻度は低くなっています(多いものでも数%)。

良くある質問(手術編)③

Q.人工心肺を使わないで手術してください。

A.心臓の冠動脈手術で行われているオフポンプ手術(人工心肺を使用しない手術)のことを言われているのだと思います。しかし、大動脈の手術は心臓の手術とはまったく違い、その術式にあわせて必要な人工心肺装置を使用します。このような、手術方法についての患者さんの誤った理解が最近増えています。

良くある質問(手術編)②

Q.手術をすると下半身不随になるといわれたのですが…。

A.おそらく、胸腹部大動脈置換手術についての説明と思います。胸腹部大動脈手術のうち、ほとんどすべての大動脈を人工血管に置換するⅡ型という手術の場合には、対麻痺の発生の可能性がありますが、最近ではこの合併症も頻度は低く、また、それ以外の胸腹部大動脈瘤手術でも発生率は改善しています。いずれにしても、担当の医師に正確なご本人の状態を見てもらうことが大切です。

よくある質問(手術編)①

Q.胸部大動脈瘤の手術を受けることになっています。心臓を止めたり、体温をすごく下げたりするそうですが、大丈夫なのでしょうか?

 

A.胸部大動脈瘤手術のうち弓部大動脈にかかわる手術は心臓を止めて体温を下げて手術をします。ほとんどの心臓手術は心臓を止めて手術を行いますし、体温を下げることも一般的です。これらの方法は心臓外科の領域ではごく一般的な方法なのです。

同意書が必要な理由

手術は患者さんおよびそのご家族の同意無しにはできません。あくまでも手術前に、医師にできることは、手術を受けた場合の利益・損失、受けなかった場合の利益・損失についてお話をさせて頂くことだけです。最終的に手術を受けるか受けないかは、患者さんご本人あるいはご家族の判断に委ねられています。しかし実際は、ごくわずかの期間に、ご自身の病気・治療方法を理解し、それを選択することは容易なことではありません。従って、患者さんと私どもが十分時間をかけ、医師の説明と患者さんからの質問を繰り返しおこなった結果として、治療方法について判断していただくことが一般的です。

インフォームドコンセントについて

手術を含めた医療行為をおこなうばあい、医療者側が患者さんに対して、医療の内容、危険性、効果などについて十分な説明をおこなったうえで、患者さんがその医療行為と危険性、効果を理解し、ご自身の責任において同意することが必要です。今日、医療行為に関しては、この説明と同意(インフォームドコンセント:説明にもとづいた同意)なしにおこなうことは困難です。